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あれ、なんか僕おかしい…、凄く熱い。
「優月、どした?」
陽太が心配そうに僕の顔を覗きこむ。
どうしよう、すごくドキドキする。
「なんでもない…よ」
「そうか?そういえばこないださぁー」
陽太は何事もなかったように話をはじめたが、僕は心臓の鼓動を抑えるのに必死で内容は全く頭に入ってこなかった。
学校に着くと、さっそく僕の金髪を見てクラスメイト達が騒ぎ出した。
「ゆづ、どうした!?イメチェンかっ!?」
進一郎が嬉しそうに肩を叩いてくる。
「陽太の真似してみました…でも明日には染め直すよ」
照れながら言うと、進一郎は何だよそれ、と言ってゲラゲラ笑いだした。
「せっかく染めたのにもったいねぇ!って陽太すげぇ、好かれてるじゃん!俺も真似しよっかなぁ〜?」
「優月と俺は仲良しだからなっ!進にはなんか真似されたくねぇ」
「ひどっ!まぁ、いいや、今日だけなんだったら、写真撮ろうぜ!記念だ!」
そう言うとスマホを取り出し撮影し始めた。
──もとの髪色が似合ってるよ
陽太に言われた言葉ですぐにもとの色に戻してしまう自分はどうかしてると思いながらも口元が緩んでいった。
陽太と居ると嬉しい気持ちになったり、ドキドキする気持ちはなんだったんだろうな。
あれから一年経つけど今だにあの時の話をされると恥ずかくなる。
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