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「おい!優月?」
「え?あ、なに??」
名前を呼ばれて我に帰ると二人は心配そうな顔で覗き込んでいた。
「いやさ〜、さっきからずっと呼んでるのに返事ないからよぉ〜」
「ご、ごめん、ちょっと考え事してた」
二人がホッとした顔を見せる。
「でもさぁー、お前らって相変わらず仲良いよな!」
「まぁ親友だからな!なっ、優月?」
陽太の言葉にチクリと胸が一瞬痛んだような気がした。
気のせいかな。
「そうだね」
僕たちの会話を聞いて、進一郎が羨ましそうに呟く。
「俺も二人みたいな親友欲しいー!一人じゃ寂しくて死ぬー!」
「進一郎は大げさなんだよ。死ぬわけないでしょ」
「だな。お前だって俺と優月以外に友達いるだろ?」
「そうだけどさぁ、なんか違うんだよ。お前たち見てると羨ましいっていうか……」
陽太はニヤリと笑うと、進一郎の肩に腕を回した。
「俺たちみたいに仲良くなりたいって?仕方ないなー」
「はっ!?ちょっ、ていうか、暑苦しいから離れろって!」
「遠慮すんなよ〜」
「してねぇわ!」
「ほら、もっとくっついちゃうぞー!」
「ぎゃーー、やめろぉぉぉおおお!」
陽太がふざけてじゃれ合っていると授業開始のチャイムが鳴り、話はここで終わった。
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