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出会い
――あれは、五年前のこと。
『……わぁ、人がいっぱい』
そう、感嘆の声を洩らす僕。そんな僕が今いるのは、果てしなく続く地元の河川敷。そして、歩けど歩けど隙間のない……いや、それは流石に大袈裟かもしれないけど……ともあれ、それくらい何処も彼処も人だらけなのは確かで。
そして、とりわけ僕の心を打ったのは――それほどの数の人達が皆、凄く嬉しそうだったこと。弾けるような笑顔の人もいれば、穏やかな微笑の人もいる。
それでも、共通して言えることは……皆、本当に幸せそうで。そして、その理由はやはりあの儚くも美しい薄桃色の離弁花――桜が満開に咲き誇っているからに他ならなくて。
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