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しょうちゃん
翌朝。
もちろん完徹しました。
眠れないのは心の声がまわりに伝わるからだと思ってました。
この症状のことを思考伝播って言います。
周囲の人に心の声が筒抜けになっている、と思い込んでしまう症状です。
今もし同じような症状で悩んでいる人がいたら声を大にして言いたい。
受診してお薬飲めばなおるよ!笑
お薬がきくまでは辛かったけど、
ききはじめてからは楽になりました。(*´∀`*)
で、しょうちゃんなんだけども。
実際に会ってないので、
幻聴なのか実在する人物なのかわからない、と言うのがだんち。の見解です。
しょうちゃんやおばちゃんの存在は後に
でっかいものになるんだけど。
個人的には絆のようなものも出来るんだけども。
それも幻聴として片付けるのはなんか寂しいと思いました。(._.)
ホテルから1日早く発つ日の朝。
しょうちゃん、がん泣き。
少年の声『ひと目でいいから、だんち。さんと会いたい! しょうちゃんこのままバイバイはいやや~!』
廊下を歩き回るしょうちゃんの声が聞こえます。
おばちゃん『あんた、出ていったらアカンよ。しょうちゃんにはかわいそうやけど、会わないことで忘れられさせてあげることが出来るかもしれん。そしたら、この状態を離れることも出来るかも知れへんねんし、心を鬼にして会わない選択をしや。』
だんち『わかってる。しょうちゃん。だんち。のことは忘れてね。そしたらゆっくり眠れるようになるからね』
少年の声『しょうちゃん会いたい! だんち。さんどこ? しょうちゃんのこと嫌いなん?』
しょうちゃんママがしょうちゃんに部屋に戻るように言ってるけど、駄々をこねるしょうちゃん。
なんとなくだけど、しょうちゃんはASDの気があって、こだわりが強い分、会ったらきっと、もっと執着してしまう気がして会えませんでした。
おばちゃん『もうみてられへんわ! おばちゃん、ちょっと言ってくるから、あんたは出ていく準備だけしとき!』
だんち。『しょうちゃんのこと、よろしくお願いします』
しばらく耳をそばだてていると、
おばちゃんがしょうちゃんにアメを握らせてあやしているのがうかがえました。
おばちゃん『もう部屋に戻ったから、出ても大丈夫やで。フロントがある一階にソファーがあるから、そこで待ってたらどう?
昨日のキモいおっさんも、さすがにフロントマンがいるところで絡んだりはせぇへんやろ。迎えはすぐきそうなん?』
だんち。『父が迎えにきてくれるって言ってたので、下で待ちますね。ちょっと怖いけど。』
おばちゃん『なんかまた言い出す前に逃げといた方がエエよ。お父さんが迎えにきてくれるなら良かった。あのおっさんも警察につき出すし安心しとき』
だんち。『ありがとうございます』
しばらくしてパパンが迎えにきました。
このままママン宅へ戻ります。
車に乗っている間、脳内でとりとめのない会話をしていました。
おばちゃん『短い間やったけど、ちょっとさみしなるなぁ。』
おばちゃんの隣の部屋のおっちゃん『モーニング一緒に行く?』
おばちゃん『良いねぇ! しょうちゃんもどない?』
だんち。『なんか楽しそうで良いなあ。』
おばちゃん『あんたはしょうちゃん泣かせたんやから反省し!』
だんち。『はい。反省します。それにしても、距離が離れてってるのにテレパシーがとけへんなあ。』
おばちゃん『いまどこらへんなん?』
だんち。『個人情報につき、教えることが出来ません。』
少年の声『しょうちゃんの声、聞こえる?』
だんち。『残念ながら聞こえるわ。しょうちゃん、朝御飯の事とか考えといて』
おばちゃん『全然とけへんね。声は少しずつ小さくはなっていってるけど。最悪これ、繋がったまま家に着くんちゃう?』
だんち。『フラグ立てるのやめて。もうすぐ着くけど、どうしよう。本当に繋がったままかも』
おばちゃん『もう開き直って楽しむしかないかもな!』
少年の声『しょうちゃん、嬉しい!』
だんち。『しょうちゃんは可愛いなあ。けどこのままやとよくないなあ』
結局、ママン宅へ着いても、テレパシーが繋がったままでした。
しょうちゃんの声も、おばちゃんの声も聞こえたままでした。
そして、マンションの住人の嫌そうな声も聞こえてきました。
だんち。『めっさブーイングきてる。嫌やなあ。好きでこんなことになったんちゃうのに』
ママンの再婚相手(故人)?『お帰りなさい。ここにいる間は守ってあげるから、安心していて良いよ。その代わり、ママンに伝えてほしいことがある。もう俺の事は忘れて生活してくれ。じゃないと俺は輪廻の先へ行かれずに生まれ変われない。ママンのこと、よろしく頼んだ。』
だんち。『まじか。』
とりあえずママンにはその旨を伝えておきました。なにか考えるようにして、ママンは頷きました。
その日の夜、またもや眠れない事件が起こります。
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