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テレパシーに目覚める
相手は車、ならば電車で移動したら、
パーキング探してる間に逃げられるのでは?
と考えただんち。
環状線に飛び乗り、ふうと一息。
そしたら、またもや声が聞こえます。
若い女の子『だんち。さん、ごめんなさい。
だんち。さんとチャンネルがたまたま合って、
面白半分でつけ回してしまいました。
私達は、エスパーです。
家族揃ってテレパシーが使えます。
普段は家族以外とこんなにテレパシーで繋がることがないのですが、だんち。さんとはなぜか最初からチャンネルがあってしまい、
物珍しさからつけ回してしまいました。
だんち。さん、許してくれますか?』
このときだんち。は感動してました。
今までのこれ、
テレパシーだったのかあ!って。
で、心のなかで返信してみました。
だんち。『テレパシーだと教えてくれて
ありがとうございます。
勇気がいったことと思います。
つけ回されたのは嫌でしたが、
反省もしているし、
大切なことも話していただけたので、
(怖かったけど)水に流します』
そうすると返信が来ました。
若い女の子『これを機に、お友だちになってくれませんか?』
だんち。『(嫌だなあと思いつつ、でも断ったらあとが怖そうだなと思い)まあ、つけ回したりしないのであれば良いですよ』
若い女の子『わあ! ありがとうございます!』
お父さん『私も物珍しさからつけ回してしまいすいませんでした。これからも家族共々よろしくお願い致します』
おばあちゃん『だんち。さんの職場は? 行かへんの? おばあちゃん、みたい!』
若い女の子『もーおばあちゃん、諦めてよー! ごめんね、だんち。さん!』
だんち。『本当に疲れた』
若い女の子『だよね、ごめんね。本当にテレパシーが繋がる人って珍しいから、おばあちゃんも興味持っちゃったみたい』
だんち。『テレパシーってどういう仕組みなん?』
お父さん『ラジオみたいにチャンネルと周波数が合えば、このように話すことが出来ます。あとはテレパシーが繋がる感覚を自覚することでしょうか』
だんち。『ずっと繋がってるのはしんどいんですが』
お父さん『ああ、そうですよね! では一旦通信を切りますね! えい!っと、あれ?』
だんち。『どうしたんですか?』
お父さん『テレパシーの切断がうまくいかない』
若い女の子『ええ!? まじで?
えいっ! ほんとだ、うまく行かないや。なんで?』
だんち。『ずっと繋がってるのはしんどいんやけど』
若い女の子『あー、ごめんね。多分、私達がだんち。さんのこと、興味を持っちゃってるから、うまく行かないんだと思う。協力してくれる?』
だんち。『どうしたらいいん?』
若い女の子『私達から意識をそらしてくれる? お風呂に入ったときに頭がふわってなるような感じ、あるやん? あんな感じで、思考を浮かせてほしいんだけど。』
ふわっとさせてみる、だんち。
だんち。『うまくいった?』
若い女の子『あかん。ダメっぽい。お父さんどうしよ』
お父さん『だんち。さん、私達から別のこと考えてくれますか? 執着があると、テレパシーを切断することが出来ないんです』
だんち。『別のこと?』
若い女の子『好きなもののこととか。』
だんち。
今日泊まる予定のホテルを
スマホで検索し出す。
若い女の子『あ、良い感じ。またね、だんち。さん』
お父さん『楽しかったよ、だんち。さん』
おばあちゃん『またね』
こうしてはじめてのテレパシー体験が終わった。
以降、その親子とはテレパシーで繋がっていません。
しかしのちに、この自覚が、入院するまでの原因になったことを、ここに記しておきます。
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