異能撲滅

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第十三話 過去ーIー  俺は中学生の頃、クラスのリーダ格として立場を確立していた。 こんなこと言うのも恥ずかしいが、俺は頭が良くて、顔が良かった。 俺は立派な大人になるために必死に努力してきた。 人気者になるのも妥当だった。あそこまで努力したのだから。 親は自分を大切に育ててくれた。 当初は反抗期だったから迷惑かけたなあ… そんな世間一般の生活が崩れたのは中学2年生の頃だった。 通常、10000人に1人生まれる異能達の集団がが政府を乗っ取った。 それ以降、異能か無能か。で立場が決まってしまったのだ。 俺の今までの努力は消えちまった。 今まで目も見向きもされなかった同級生に皆視線を集めた。 なぜなら異能はやりたい放題だからだ。 異能が無能を殺しても罪にならないという、滅茶苦茶な世の中だった。 異能という立場を生かしてやりたい放題のする人々…。 異能と無能で差別する人々…。 異能から好感を得るために、必死に異能と関わる人々…。 人間の醜さがあらわとなった。 そしてさらなる大きな事件が起きる。 とある日、家に帰ったら両親の遺体があった。 「え…」 その時俺はその現状に呆然としてしまった。 そしてその両親の屍に、俺の妹の姿があった。 「異能は何しても許されるのよ。」 そう。俺の妹は異能だった。 「じゃあね。お兄ちゃん。」 「待て!!!!!!」 俺の妹は消えてしまった。 そして世間に大きな事件を発生する。 無能撲滅計画事件だ。 名前の通り、異能達が無能を消そうとした計画だった。 実際この事件で、三分の二の無能達が死亡することとなる。 特に俺が住んでいた、横浜は壊滅状態まで追い込まれた。 もはや戦争で敗北した跡地のようになっていた。 俺の友達もみんな殺された。 その時から俺は異能に対して本気で殺意が湧いた。 今までの努力、醜さ、犠牲、妹… 俺はその時から異能を本気で殺したいと考えた。 異能達にバレないように崩壊した街を歩いている中、俺はある出会いがあった。 俺と同じ状況になっている2人がいた。 それが後々仲間となる、高城淳と森原愛里だった。
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