裏切りの味

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 腹が減った――  体の奥底から沸き起こる食欲だけが、朦朧とする俺を奮い立たせ、突き動かした。全身のあちこちが痛む。血が灼けるように熱い。文字通り死に体ではあるが、食べたい。何かに喰らいつきたい。という衝動だけはおさまるどころかますます膨らんでいっている。ああ、くそ。どこかに食い物はないのか。肉は……いや待てよ。よくよく考えたら肉ならすぐそばにあるじゃないか。しかもこんなに山ほど! どうして今まで気づかなかったんだ? もしや周りのやつらも気づいてない? ならばチャンスだ! 早速遠慮なくいただくとしよう! ※
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