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 次の日、セリはすぐに学校から帰って来た。  わぁーい、今日はいっぱい遊べるね。  そう思って、ボクは精一杯の喜びを表したんだけど、  なんだかセリの様子がおかしい。  以前から、なんとなくおかしかったセリ。  セリの次の言葉を聞くまでは、信じたくなかった。 「どうしたの、キミ。どこから入ってきたの?」  え…………?  どういう、こと……?  セリが、セリが、ボクのこと、忘れてる……?  だって、昨日までずっと一緒にいたんだよ?  そんなのって、あるの? 「もう行かなきゃならないから、キミもうちに帰りなよ」  ちがう! ボクの家はここなんだよ!?  セリ、一体何を言っているの!?  セリは、ボクを無視して、捨てようとしてるの!?  それとも、これはセリに似た誰か!?  ボクは、この間あやはにきいたことを思い出した。 『セリはね、病気になっちゃって。  ちょっとだけ記憶喪失なんだって』  びょうき。キオクソーシツ。  きっとこれが、そうなんだ。    セリは……セリは……。  本当にボクを……忘れてしまったんだ……。 「行かないの? ドア、閉めるよ」  目の前が真っ暗になった。  ボクは、セリを信じて、呼び続けた……。
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