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「ごめんね、うちじゃもう飼えないから…」 誰かが言った。 人間の、女の人の声だった。 女の人は、ボクを入れた箱を道端に置いて、 その場を去った。 待ってよ、どこに行くの? ボクを置いていかないで。 おかあさん、おかあさんはドコ? ボクは、懸命に茶色の高い壁に爪を立てた。 やっとのことでその壁を越えると、 見たことのない景色だった……。
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