終章 愛しの女王様に捧げる下剋上

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「つまり、俺が言いたいのはさ…」  宮嶋は組んでいた肩を離して、蒼生の背中をポンと喝を入れるように叩く。 「王崎課長はお前に夢中ってことだ」  そして、すっかりほろ酔い状態の宮嶋は、楽しそうに笑いながら大きな声で言った。 「お前の下剋上、大成功だな!」  確かに、彼らとそんな話もしたなと蒼生は思い出して、つられて笑ってしまった。 「また明日、会社でなー!」  三人と手を振って別れた蒼生達。雅は蒼生の隣に立つと、彼の顔を下から覗き込んで尋ねた。 「下剋上?」  蒼生は雅を見つめながら、幸せそうに微笑んで答える。 「そ、ちっぽけな僕が愛しの女王様に捧げる下剋上のことだよ」  そして彼女の額にキスを落として続けた。 「だから僕は、雅ちゃんの王子様になれたんだ」 『——女の子にとって、好きな人は誰だって『王子様』になるんだよ』  毒林檎をカゴ一杯に抱える白雪姫の言葉だ、きっと間違いはないだろう。 「随分とお迎えが遅かったのね、私の王子様は?」  調子を合わせて揶揄うように言ってくる雅に、蒼生はニコッと笑って彼女の細い手を取ると、指を絡めながらしっかりと繋ぐ。蒼生はこの先何があっても、この手を離すつもりはない。 「許してよ。これからはずっと側にいるんだからさ」  —終章 愛しの女王様に捧げる下剋上・終—  ——fin。  これにて本編完結です。  最後までお付き合い頂きありがとうございました。  次の頁は感謝とあとがきです!  駄文ですが気が向いた方は、よければそちらまでお付き合い頂けると嬉しいです!  リラ
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