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「相変わらず、良い呑みっぷりですよね」
「褒めても何も出ないよ」
「残業代くらいください」
「失礼だね、キミ。こんな美女と酌み交わしているのに『残業』扱いとは」
「その顔で『美女』とか言わないでくださいよ。自慢にしか聞こえませんから。っていうか酌み交わしてないです。ほとんど主任がひとりで呑んでますから」
「おや、そうだったかな?」
「水飲んでるのかと思うくらいですよ」
「口当たりが良いからね」
美酒に機嫌を直した瑠璃花は、お猪口になみなみと注ぎ、優雅かつ豪快に杯を干した。
「うん、美味い」
「良かったですね」
「五合じゃ足りないなぁ」
「『ちょっと足りないくらいが、ちょうど良い』 主任の持論でしょ?」
「酒は別腹なんだよねぇ」
「はいはい。主任が別腹なのは、お酒だけじゃないでしょ」
公平は足元のクーラーボックスの中から、大きなロールケーキを取り出した。
「わかってるじゃないか〜、キミ♪」
鼻歌を歌うかのような浮かれっぷりでロールケーキを受け取った瑠璃花は、
「だから好きだよ」
と満面の笑顔で爽やかに言い、包みを解くと同時に齧りついた。
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