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「ふう。大体できたかな」
広大なヒマワリ畑でワンオペ作業になったら大変だったろうけど。結局のところ園芸部員やボランティアらしき大人があちこちにいて、テキパキと同じ作業をしていた。なので私がやったのはほんの教室1つ分くらい。それでも、ヒマワリに囲まれての剪定作業は人生初で新鮮だった。
「やっぱりジャージ着てくるんだった」
制服はやっぱり泥まみれ。まあ構わないんだけどね。
「腰痛いなぁ」
丸まった身体を反らせて背伸びしていると、目線の先に迷路のゴールがあった。仮設テントの下で園芸部員達が参加者に栞を手渡していて、子どもに交じってカップルらしき大荷物の男女もいる。大人も結構楽しめるみたいだ。
「あれが押し花の栞かぁ」
それからなんとなく駐車場に視線を移すと、さっきまで水やりに奮闘していた河本先生が、いつの間にかスーパーの袋を2つも下げて軽トラックから降りてきたところだった。
「藤田さんお疲れ様。今日はかなり暑いね。これ僕から皆への差し入れだから、好きなのとってから仮設テントに置いてきてくれる?」
大袋の中身はどちらもペットボトル飲料たった。
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