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むかしむかし遠いむかし。徳島にノファンと言う若者がいました。
彼は温厚で真面目な青年だったが不器用な性格なので敬遠されていた。
「辛いな辛いな早く帰ってしこって寝たい…」
彼はこう独り言ちて馬車に揺られていた。
そんな時そんな時罠に引っかかった兎を発見するノファン。
「馬主さん止めて止めて!」
「なんだいお客さん。馬車もタクシー方式で時間食えば食うほどお金いっぱい取られるよ!」
馬主は言うが心優しいノファンは「構うもんか!」と馬車を降りた。
ノファンは罠に引っかかった兎を助けてあげた。
兎は喋れない代わりにペコリと頭を下げてピョンピョンと跳ねて行った。
「良かったお金は取られるけどあの子の事を思ったらそれくらい安いもんだよ」
と馬車に再び乗った。
そしてそしてノファンはある所に馬車を止めてもらい降りる。
「お駄賃一万二千円ね」
「えぇっ一万二千円!?いくらなんでも盛り過ぎじゃ…」
とノファンは言った。
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