墓じまい

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 今まで一緒に座り込んでいた連中が、こぞって立ち上がり、移動を始めた。でも俺はそれについて行けない。  浮遊霊になってどれくらい時が経過しただろうか。  ある時、たまたまここの墓に入ることができ、元々いたこの墓の先祖達に紛れることにした。  でもの墓は、世話のできる者がいなくなるという理由で、墓じまいをすることになった。  坊さんが来て、寺の、永代供養の碑に移る儀式が行われる。だけどそれで移動できるのは、正式にこの墓に祀られたこの家系の人々だけで、俺はその中に含まれないから、ここに取り残されるしかない。  もうじきこの墓は取り壊される。そうなったら俺は、便乗してあやかっていたお参りのあれこれにはもうありつけず、また浮遊霊に戻るしかないんだろうな。 墓じまい…完
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