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私はこれまで、レオ様に対してずっと不誠実な態度で接してきました。
乗っていた馬が暴走して助けてもらった時も、私を悲惨な結末から救うために東奔西走してくれていた時も。貧血で倒れたときも、メイ様に罠にはめられたときも、いつだってレオ様は私のことを助けてくれた。
本当は私だって、自分の気持ちに気付いていたのに、気付かないフリをして逃げてたんです。馬車の中でキスをされて、やっと確信しました。
私は、レオ様の事が好きです。
子供の頃からずっとレオ様と一緒に過ごしてきました。怖さと優しさが入り混じったレオ様に振り回されるのも、今考えると楽しかった。キラキラと澄ました顔のレオ様よりも、意地悪な顔でちょっかい出してくるレオ様の方が好きだった。子供みたいに友人とケンカしながらも、ちゃんとみんなから信頼されてるレオ様を尊敬した。
突然のキスも嫌じゃなかった。むしろドキドキして舞い上がってた。
今更だけど、レオ様にきちんと謝ろう。私がちゃんとレオ様への気持ちに気付いていなくて、色々と誤解させてしまってごめんなさいと言おう。
「決めた!」
「うわあぁっ! コレット、突然大声でどうした?!」
あ、忘れてた。
まだマティアスが私の部屋にいましたね。
「ううん、騒いでごめんなさいね。私、レオ様に謝ることにするわ。私が頼りなくてフラフラしているから、ヒロインに付け込まれるのよね。協力してくれたマティアスやみんなのためにも、ちゃんとレオ様に気持ちを伝える」
「コレット、もしかして知らないの?」
「……ん? 何を?」
意味深な言い方をして、マティアスは黙り込んでしまいました。目がキョロキョロと泳いで、最後に小さくため息をつきます。
「なに? 気になるわ」
「いや、ごめん。知らないのならいいんだ。僕が言うことでもないし」
「……マティアス! すごく気になる言い方をしないで。何なの? レオ様のこと? 私、また何かしでかしちゃってる?」
必死でマティアスを問い詰めたけれど、結局彼は何も言わずに帰って行きました。私はモヤモヤした晴れない気持ちのままなかなか眠れず、ムーンライトフラワーのつぼみをずっと眺めていました。
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