210人が本棚に入れています
本棚に追加
第21話 浮気現場に遭遇しました
会えない日が続くと、逆に募ってしまう恋心。
レオ様への気持ちに気付いてから、全然レオ様と会う時間がなくて、気持ちを拗らせてしまっているコレットです!
早く言いたい、私の気持ち早く言いたい。
学園が夏の休暇に入ってから、なぜだかレオ様に会えなくなってしまいました。お手紙を送ってみたり、王宮に突撃してみたりもしたけれど、いつも宰相様に追い返されてしまうばかり。
そんなこんなで、このまま夏至を迎えそうな勢いです。
ムーンライトフラワーはそろそろ咲くのでしょうか。つぼみもかなり大きくなって、白い花びらが見え隠れしています。
このムーンライトフラワーを、レオ様と二人で一緒に見たいです。
どうせ宰相に追い返されるのならば、王宮の外でレオ様を待ち伏せしてしまおうというのが今日の作戦。
レオ様がいつも馬車で出入りする門の側で、自作のサングラスをかけて頭からストールを被り、バッチリ変装待機中。
待ち伏せを始めてそろそろ一時間経ちますね。でも、レオ様は全く出てくる気配がありません。そもそもレオ様のスケジュールすら把握していないから、今日ここを通るかどうかも分からないのですけどね。
私の近くを通りすぎる人たちは、私を見ると眉をしかめてヒソヒソ話。ごめんなさいね、不審者にしか見えないわよね。公爵令嬢がたった一人、変装して道に立ってるなんて、誰が想像できるでしょうか。
「コレット! こんなところでどうしたの?」
うわっ、びっくりした!
レオ様全力待機中の私の後ろに通りかかって声をかけてきたのは、なんとマティアス・ベルラントです。
「マティアス、こんなところで会うなんて偶然ね。私、実はレオ様にお話があって待ち伏せを……」
「そうか。コレットは知らなかったんだったね。レオは忙しいし、しばらく会うのはやめておけば?」
マティアスは、私から目を逸らしたまま淡々と言います。マティアスがこんな話し方するのは珍しいですね。幼馴染同士だから分かります。貴方、私に何か隠しているわね。この前うちに来た時も、何だか意味深なことを言っていましたよね。何だか最近マティアスが怪しいです。
最初のコメントを投稿しよう!