お悩みクッキング

ペンネーム みみみさんからのお便り
「転職に失敗し、これからどうしたらいいのかが分からず悩んでいます。
私は新卒から3年勤めたホワイト企業の経理からエンタメ系ベンチャー企業の企画に転職しました。転職してしばらくはやりたかった仕事ができ、毎日忙しくも楽しく過ごしていたのですが、自分の企画が通ったことを皮切りに、古株の女性社員から無視をされたり業務に必要な素材を共有してもらえなかったり、あなたの自己顕示欲で会社を壊さないでといった叱責を会議室で受けたりと、所謂パワハラを受け、それに対して周りに訴えてもあんないい人がそんなことをするはずはないと聞き入れてもらえず、適応障害になり2ヶ月休職することになりました。復職し、別部署に異動となり、人間関係は以前より悪くはないのですが、入社してしばらくはイケイケだった会社の経営状況が傾き始め、全社的に給与体系の見直しがあったりと、今後年収アップもなかなか望めそうにありません。
前職の同期に会うと、最近給与体系が変わり、若手の給与がかなり上がったとのこと。以前から同世代と比較するとだいぶ高い金額をもらっていたのにさらに上がるのか…というのを目の当たりにし、改めて、自分が転職を選んだのは失敗だったのではないかと思い、落ち込んでしまう日々です。
エンタメ業界で転職を…と思っても、今の会社のように不機嫌なひとが自分の気持ちをぶつけ意見を通していくような職場はもうこりごりです。かと言って前のようなホワイトで人間関係もいい職場に自分が雇ってもらえる自信がありません。どうすればいいのでしょうか。」
ふんふん、とても美味しそうなお便りだね。早速調理していこう。
まず、ずば抜けた行動力があるね。今までは思いついたらすぐに実行して成功してきていた…けれど今はどこへ向かうべきなのかが分からず足踏みをしていて、そんな状況に焦りを感じている……。人生まだまだ長いしそういう時間があっても何も焦る必要はないと思うんだけど、そうはいかないんだろうね。方向が定まっていないのに大きく動いてしまうとかえって危ないから「残る理由」で包んで。噛むとぱちぱち弾けていい食感が生まれるだろう。
今までは自分と似た環境で育ってきたひとの中で過ごしてきて、持ち出すこともなかったプライド、これが表面に現れていい照りになっているね。この照りはちゃんと底に頑張りがあるから生まれてるんだよ、ただの驕りではこうはならない。
視野の狭さ……このままだとエグみが出ちゃうから「好きなひとたちとの時間」とさっくり混ぜてしばらく寝かす。自分の世界も案外広いということにきっと気づけるはず。
まだこれから何でもできるというふわふわとした煌めきもあるね、でもこれは火にかけすぎると焦げちゃうから注意が必要だ。慎重に火加減を見ないと。
よく、見てる人はちゃんと見てるからなんて言うけど、見てるだけで何だよと思うね。そうじゃなくて、君自身が君を好きでいられるように、自分がよくないなと思うことはしない、その方がすっきりしない？この煌めきを大事に、真っ直ぐ生きていれば、必ず大切なモノに辿り着けると僕は思うよ。芯にある純真さ、これが味の核となる。
最後に「君なら絶対に大丈夫」をふりかけて……。これはいつも使うわけではないよ、君だから使ったんだ。

さ、召し上がれ。
冷めないうちに。