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オーナー手作りの中華丼と卵のスープをご馳走になった。
材料炒めて味を付けただけと言うが、私にはたまらなくご馳走だった。
「やっとゆっくり会う事ができた」
オーナーはローテーブルの前でホットココアを飲む私を後ろから包むように座り、髪を上げていたうなじにキスし、私のお腹に腕を回して抱きしめる。
コ、ココアこぼしちゃう…!
こんなにオーナーの身体を感じるほど接したのは5ヶ月ぶりで、ドキドキのあまり手が震える。
私はゆっくりローテーブルの上にカップを置き、オーナーの腕に手を重ねた。それに反応してオーナーは私の背中に重みをかける。
「食事だけで、全然デートらしいデートが出来なかったから…あの日の事、後悔させてしまっていないかな、と思えてきたよ」と、いつも自信たっぷりなのに珍しく弱音を吐く。
「後悔だなんて、絶対しません!…って、すみません。いつもお断りをして……」
私だってこうやってオーナーとイチャイチャしたかったけど、任せられた仕事を全うするためにはしっかり休む必要があると自分なりに判断していた。
それはオーナーもちゃんとわかってくれていた。
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