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私はやっぱり本命の「彼女」では無いということか。
今、電話でもかかってこようものなら、問い詰めてしまいたくなる。
ふと、鏡に映った自分の顔が視界に入る。
嫉妬に歪んだブスな顔。
嫌だ、こんな気持ちで会いたくない。
少し冷静になれる時間が欲しい。
『ごめんなさい、明日は予定があって行けません』そう入力する手が震える。
オーナーに嘘をつくのはこれが初めてだ。
メール送信を躊躇っていたら『明後日の夕方からしばらく出張続きで会えないから、会いたい』と追加でメールが入ってきた。
メールの内容を消そうとしたら、誤って送信してしまった。
私は慌てて『間違えました!大丈夫です!』と訂正のメールを入れたけど、『いいよ、無理しないで。急だったし仕方ないよね。じゃあまた出張から帰ってきたらゆっくり会おう』と返信されてきた。
しばらく会えないのか。
会いたくて泣きたい気持ちとホッとした気持ちが混在して、眩暈がしてきた。
私はそのまま布団に倒れ込み、色々考えるつもりがそのまま寝落ちしてしまった。
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