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「うわ、懐かし」
和佐さんは1枚の写真を私に見せる。
「これって、サロン立ち上げた時の記念写真ですね!」
そこにはキレイなお姉さん4人に囲まれたオーナーと、オーナーの母親が花束を抱えて座っていた。
「これ、もしかして和佐さんですか!?」とひとりの女性を指差す。
髪型がショートカットの今と違い、ゆるふわボブで幼く見えるが面影がある。
「ピンポーン。8年前とはいえ、皆若いなぁ」
「いえいえ、皆さん今でも充分若くておキレイですよ」
やはり美容の仕事というのは美意識が高くなるのか、本当に変わりないように見える。
私は少し若いオーナーを見てはドキドキする。
8年前なら24歳か。
今の私と1つ違い。8年前も格好いいなぁ……。
「あれ。和佐さん、この方今ウチにいないですよね」とひとりの長い髪の女性を指差す。
「あー…その子ね。オーナーの元カノ」と笑いながら和佐さんは片付けを再開する。
元カノ…セラピストだったんだ。
私より若そうなのにとても大人っぽくて美人の彼女を見て、さっきまでの浮かれた気分が地に落ちてしまった。
「うわ、何コレ。ゴミ箱山盛りじゃない」と更衣室に入ってきた由紀奈さん。
「あ、その写真…」
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