黒須side-5

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黒須side-5

 何度か突き上げて谷川ももう意識が朦朧としている。 「ちょ……、そんな締めんなよ、めっちゃ気持ちいい……」 「あ、やぁぁ、そ、だめぇ」  首をぶんぶん振りながら喘ぐ谷川、頬を真っ赤に染めて汗ばんだ額に髪の毛が張り付いている。吐き出される吐息が熱い、声が普段聞いたことのないような色気のある声でそれを聞いているだけで自分の限界も感じる。 「かわい……谷川、めっちゃかわいい、やばい。なぁ、俺の締め付けて感じてるのすげー可愛いよ」 「ああん、やぁ、そんなおっきぃの、やらぁぁぁ!」 「言うことも可愛いってどうなの、はぁ……やべぇ、イきたいけどイきたくねぇ……」 「やん、あ、ぁ、も、イク、わたし、イッちゃ……はぁ、う」  涙目で相変わらずはぁはぁ言い続けている谷川、震える指先が俺の頬に触れてもう一つの手が髪の毛を鷲掴んでくる。  距離が縮まる。  見つめ合って、もう他の何も映らないほど近い。  谷川の瞳の中には、俺しかいない。 「も……イッちゃぅ……」  泣きそうな声でそう言って締め付けられた。  ――死ぬほど可愛い 「っ……動くよ?いっぱいイっていいよ?俺の下でいっぱい感じる谷川見せて?」 「あん!」  頬に、耳に、首筋に、触れれる部分にいっぱいくちづけて谷川の中で熱くなる熱を絡ませ合う。  信じられないような高揚感、夢にしたくないと思った、でもやっぱりこれは夢になるかもしれない。だってそれくらい現実感がないほどの浮遊感と快感がある。  これは――現実とは思えない。  これが――好きな女を抱いてる時間。  そのあとも体位を変えて何度か抱いたら声が出ないほど喘いで谷川は気を失ってしまった。  軽く体を拭きあげてベッドに寝かせてその寝顔を見つめながら顔が勝手ににやける。  良かった、触れる。目の前の谷川は眠っているとはいえ温かくて息もしている。  目の前に生きた谷川がいる、これは絶対夢じゃない。  それでもまだ信じがたくてシャワーを浴びて頭を冷やした。  興奮がまだ冷めそうにない、目覚めた谷川は何というだろう、覚えてないというだろうな、その覚悟はあったけれど思い出させる方法はきっとある。  身体はきっと俺を覚えてる、そうさせるほど抱いたつもりだ。  覚えてないなら思い出させる、何度でも抱いて何回でも言ってやる。  谷川が好きだって。  今日だけのことにしない、今日だけにしたくない。  今日こそは――谷川が誰よりも好きだと伝えたい。  fin〜  
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