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「すごいなあ。なんかのドラマみたいな話。現実にそんなことあるんだなあ」
私はナナシさんの相談内容を聞いてほうっとため息をついた。幼馴染にそこまで恋して尽くしてくれる相手なんて本当にいるんだろうか。
一瞬良平のことが頭を掠めたが、彼はそんな感じが一切ないのですぐに頭の片隅に追いやってしまった。
『ほら、みんなメッセージでナナシさんのこと応援してるよだから勇気を出して、結果がどうなったのか、よかったら教えてね」
その後は今日は歌を歌いたい気分だからと今流行りの歌を低音ボイスで歌ってくれた。どれも好きな曲ばかりだったから私はビールが進んでほろ酔いになってメッセージを送信する。
『歌声素敵です!大好き〜』
送ってハッとした。他の視聴者のメッセージに紛れてすぐに消えてしまったけど、はっきり好きと書いたのは初めてだったからだ。
(どどど。どうしよう!大好きなんて…でも、メッセージあっという間に流れちゃったし、大丈夫だよね?)
内心心臓バクバクになりながらその日の配信は終了しようとしていた。
『みんないつも沢山のDMありがとう。全部目を通しているけど返信できなくてごめんね。でもこの配信を聞いてくれている人からのDMは本当に嬉しいんだ。だからこれからもよろしくお願いします」
そう言ってsamの配信は終わった
(え?返信はしていない?じゃあ私は?)
胸がドキドキして止まらない。もしかして私だけ特別に返信してくれているのだろうか?
その時ピロリンとスマホに通知が来た。なんと…samからのDMだったのだ。
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