Scene.01 ジンクス

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一はいつもの校庭で昼食を食べる。 見上げると教室の窓からみさきの姿が見えた。 「惚れたか?」 護がそう言って茶化す。 「そうじゃないよ」 「ふーん」 美姫が嬉しそうに笑う。 「な、なに?」 「一も童貞を捨てるのかぁーって思ってさ」 「ないと思うよ。  僕は愛しても愛されたらダメだから」 「え?」 美姫の表情が固まる。 「だって僕は化け物だから」 「そんなことないよ」 美姫は目に涙を浮かべていった。 そしてチャイムが鳴る。 「この話は終わりだね」 一がそう言って話を終わらせた。 ――放課後 「あー雨降ってきたぜ」 護がそう言ってため息を吐く。 「本当だね。さっきまで晴れてたのに」 一も空を見上げる。 ポツポツ。 トタトタ。 シトンシトン。 「雨の日は寒いな」 「うん、早く春が来ないかな」 「その前に試験だな」 護の言葉に一はため息を吐く。 「嫌だね」 「お前なら余裕だろ?」 「試験は余裕だけど。  あの人に絡まれるのは嫌だ」 「モテモテじゃん」 護の言葉には一はなにも返さなかった。
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