Scene.01 ジンクス

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一と護は教室に戻ります。 「……」 じっとみさきが一の方を見る。 「川名さん。どうかした?」 一は静かに尋ねた。 「貴方の名前は斎藤一なのですか?」 「え?あ、うん」 一は不思議に思いながらも頷く。 「ちなみに俺の名前は住永護!」 護が胸を張って言った。 「そうですか……」 「お?なになに?  私抜きで自己紹介?」 美姫も話に入る。。 「いえ、そういうわけでは……」 みさきは小さく一から目を逸らした。 「いいじゃん。仲良くなろうよ!  私の名前は葛城美姫!  こうみえて剣道には自身があるんだよ!」 「お?ズルい!俺はフェンシングだ!  フェンシングで日本一強くなる!」 護が胸を張る。 みさきは一の目をそっと見る。 「僕は帰宅部よりの軽音部」 「楽器をなさるのですか?」 「うん。ギターを軽く引けるよ」 「そうですか」 「川名さんはクラブ入らないの?」 美姫は笑顔のまま尋ねる。 「私はバイトがあるので……」 「そっか」 「じゃ私達、お昼休み同盟結束だね」 「え?」 美姫の言葉にみさきは驚く。 「結成!やった!」 美姫は喜んだ。 強引に喜んだ。
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