Scene.01 ジンクス

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「え?でも私にはバイトが……」 「昼休みに楽しむ会なので。  バイトなら問題ないよ!」 美姫がニッコリと笑う。 「そ、そうですが……」 みさきは一の方を見る。 「僕も川名さんと一緒にご飯食べたいな―」 一の言葉にみさきは頷く。 「貴方がそういうのなら……」 みさきは小さく笑う。 「やったー!ありがとう!」 美姫はみさきに抱きついた。 「それはちょっと恥ずかしいです」 照れるみさきを他所に一はコロッケパンをかじる。 「あれ?お前、焼きそばパン買ってなかったか?」 「中身がコロッケパンだった」 「そうなのか。  お前、相変わらずツイてないんだな」 「まぁ、それを含めての僕だから」 「そうだな」 護はそう言うとケラケラ笑った。 夏の蝉は七年間土の中にいると言われている。 そして一週間鳴き続け。 そして命が消える。 見覚えのある少女を見つけたので教室の窓から思わず手を振った。 少女が近づき一の教室にやって来る。 「あの、もしかしてお兄さん、私に手を振りました?」 そして一は我に返る。 「あ、知り合いに似ていたもので……」 「そ、そうですか」 一は幼き頃、一緒によく遊んでいた女の子に似ていたのだと気づく。 その女の子とはひとつの約束をしていました。 「私を見つけたら手を振ってね」 そう言い残し女の子消えた。 一はその言葉を信じて似ている子がいれば手を降ってしまう。 もう彼女は来ないと感じながらも…… もう彼女はいないとわかっていながらも……
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