2.AV女優も吃驚だ

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「……そうだ!今から俺が手を放しますから、何か変顔してもらえませんか!?俺結構ツボ浅くって、笑わなかったら今の話信じて下さい!」 「はっ……?」 へ、変顔って!んな無茶な! じゃあいきますよーと勇者は俺の返事も待たずに勝手に手を放す ちょちょちょ、待ってくれ!もう既に勇者はまた石のように硬直し、まるで一人取り残されたように俺はその場に立ち尽くした 「へ、変顔…んんん、もうどうにでもなれ!」 俺は勢いに任せて渾身の変顔を作って見せる まだ誰に転生したかも分からないというのに、顔の筋肉のあらゆるところに力を込める。何処かの誰かさん、変な顔してごめんさい。とりあえず先に謝ります そして、やはり返事はない なんか物凄く不発感が否めなくて俺だけが恥ずかしい。何これ新手のイジメ? 耐えきれなくなってすぐ俺は勇者の腕を掴んだ 「……ッ……あ、ハハハッ!」 「……。」 遅れて笑いがやってくる なんか逆に恥ずかしくて、俺は口ごもってしまう 「……すいません、可愛いですね。あ、信じて貰えましたか?」 か、可愛い!?今のが!?勇者の感性は独特だなぁ 「あ、あぁ、うん。でもどうしてそんな事に……」 「俺も本当に分からないんです。空が急に光ったと思ったら気づいたら突然……」 んん?空が光るぅ? うーん、それは、もしや…… 「お、俺の、せいかも……」 「え?」 前の世界で突然死んだ俺は、何かの力でこの世界に転生した そして勇者はこのゲームの主人公、つまりコントローラーで動かすキャラクターだ なので、突拍子もないが今一番可能性があるとするならば、プレイヤーだった俺が主人公に触れることで、漸くこのゲームの主人公ラシエルが物理的にキャラとして動くようになれるって事か?俺はこの世界ではコントローラー的役割があるのかもしれない 「とりあえず、ここはまだ序盤のチュートリアル前だよな…」 「チュートリアル?」 「何でも無いです」 考えててもしょうがない。現状はそういう事だということにして、まずはストーリーを進める事に専念しようと思った 「あ、そうだラシエル、ちょっとこっち来てもらってもいい?」 「俺、名前言いましたっけ?」 「はっ!……あー……俺…実は予知能力があるんだよネ……」 「え!?預言者様なんですか!?凄い!」 「ウン、マア、エヘヘ~」 別に間違った事は言っていない 俺はこのゲームを熟知しているし、それぐらいの大義名分、背負ったって良いよね? 俺はラシエルの腕を引き、まずは当初の目的だった自分が誰に転生したのか。という目的を遂行するため、湖に顔を映す 水面が風に吹かれゆらゆらと光の屈折で歪み、しっかりと自分の顔を捉えるのに十数秒かかる そしてやっとその人物が誰か分かった時、俺は愕然とした
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