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第2話 話し方教室
日曜日の昼過ぎ、両親と共に教室が開催される施設へとやってきた。そこは、ダンス教室や絵画教室、手話教室やヨガ教室など様々な教室が毎日開かれる場所であった。
受付で申し込みをし、会員になって受講料を支払うと半年毎の更新で好きな教室が受けられるとのことだ。ちょうど10月で今年度の後期の講座の開始時期らしい。
次の日曜日、話し方教室にやってきた。
「緊張するなぁ。教室はここか……」
教室に入ると、女性が2人と男性が1人座っていた。開始時間が近づくにつれ、女性1人、男性1人が入ってきて、全員で6人となった。
その後、講師の年配の女性が入ってきて教室が始まった。
「皆様、こんにちは。今日からまた半年、スタートいたします。どうぞよろしくお願いします」
元アナウンサーだけあって滑舌が良い。
「それでは、お一人ずつ自己紹介をしていきましょうか。この教室では話すことが苦手な人や、これからもっとお話しを上達させていきたい人が来ていると思うんです。ですから、ここでは上手く話そうなんて思わなくていいですからね。安心して失敗できる場所なんですから」
安心して失敗できる場所か。僕は失敗してはいけないという気持ちを無意識的に持っていたが、それを聞いて少し気持ちが楽になった気がした。
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