場面緘黙症な僕の漫才

第３話 お笑い

　僕の一番の趣味は、お笑いを見ることだ。きっかけは毎週若手芸人の人たちが出ているテレビ番組を何気なく見ていたことから、その芸人さん達のファンになり、漫才やコントも見るようになった。

　どんどん嵌っていき、近頃ではお笑いの劇場にライブを見に行くほどだ。今日もお笑いライブを見に行く予定である。

「行ってきます」

　午前中に家を出て、渋谷駅まで向かう。途中のファーストフード店で昼ご飯を食べるのがいつものパターンになっている。
　僕が大好きなのは、渋谷駅近くにあるB1シアターという若手芸人が出る劇場だ。
　劇場の前にはチケットの手売りをする若手芸人がいた。

　そのとき、たまたま劇場から僕の好きなお笑いコンビ・スリールの水野さんが出てきた！！

「あの、スリールの水野さんですよね」

「あ、はい」

「すごいファンなんですけど、サインをもらってもよろしいですか？」

　そんな感じで、水野さんからサインをもらった。僕は場面緘黙症で相変わらず話すのは苦手だが、好きなことに関しては行動的になっていた。
　昔はこんな風に行動的ではなかったが、多少の変化は起きていた。