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親戚たらい回しにされたら気の毒だって、そんなこと、百も承知で産んだのだろうに。
それが嫌だったら、堕胎すればいいだけの話でしょう。
道に外れた子を産んで、人並みに扱ってもらおうだなんて、厚かましいったらありゃしない」
「伯母さん!」
大地を前にしてのあまりの大人げない発言に、たしなめるように声をかける。
隣に座った大地が、私の膝に触れ、軽く首を振った。
とたん、伯母さんの目が、つり上がる。
「何をしているの!? 汚らわしい! 舞美から、離れなさいっ」
ヒステリックな叫びに、私は言葉を失った。何を言われたのか、一瞬、理解できなかった。
……大地がうつむいたのが、分かった。
「だいたい、あなたのその耳、なんですか。男のくせにチャラチャラして……髪は真っ茶っ茶でだらしなく伸ばして……。
そんなことじゃ、まともに就職だってできませんよ。
いったい、どういう育て方をされたのかしら。あきれて物が言えないわ。
まぁ、他人の旦那を盗むような、ドロボウ猫の息子ですものね。
そもそも本当に恭一さんの子かどうか、分かったものじゃ───」
「いいかげんにしてください!!」
我慢の限界だった。
いくらなんでも、いい歳した大人が、高校生とはいえ、まだ親の庇護を受ける立場にある子供に対して、言って良いことではないだろう。
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