空腹

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 大学生になってからシロウは親からおこずかいをもらえなくなった。 「欲しいものがあったらアルバイトして買え」彼の父親は言った。  彼はレストランで働くことにした。だが大学生とアルバイトの両立は厳しいとわかった。両親に頼んで勉強をがんばるから、少しでいいからおこずかいをわたしてくれ、と頼んだのだが父親には拒否された。母親は「一か月一万円までね」と言われた。  大学生は勉強をがんばらなければ、結局は学費がむだになり、損をすることになるのはわかるだろうに、とシロウは不満であった。  シロウが昼前にキャンパス内を歩いていると三郎は講堂から出て来た。 「どうした?」 「別に」 「裕次郎に何か言われたか?」 「何も問題ない」 「それならいいけど」 「裕次郎は笑ってたけど、転生は実際にはあり得るのか?」 「そんなことありえる訳ないだろ」 「それもそうだが、ありえるような気がする」 「悪いくすりでもやったのか? 訳わからないぞ」 「気にしないでくれ」 「自分から言っておいて何だよ」 「いいだろ」 「いいけどね」
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