番外編1:止めないで!俺の可愛い神獣様!

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番外編1:止めないで!俺の可愛い神獣様!

【前書き】  こちらは、本編ラストに怒涛の勢いで飛ばされた「くつした」と「イアン」の初エッチのお話です。最後の最後。くつしたの言葉でイアンがとんでもない淫語を放ちつつ、二人で激しく睦みあったようですが、そこに至るまでの二人のアレコレを長々と書きました。  一歳半の成獣になりたてのくつした(十代後半の人間姿ver)×人見知りド童貞イアン  ともかく、二人共に性的な知識がほとんどない!  そんな二人のただ、喘いでヤってるだけのお話!  ヤってるだけなのに、全体的にちょっとギャグっぽい謎!  なので、そういうのがお好みではない場合は、こちらは読まなくても大丈夫なタイプの番外編です。逆に「そういうのが読みたいんじゃん!」という方は、このまま読み進められてください。  それでは、どうぞ! -------- --------おいで、くつした。  勢いでそんな事を言ってしまったものの、そもそも俺は狼のメスでも、人間の女でもない。男の俺にくつしたの……野生の本能を受け入れる場所なんて、どこにもない。  さぁ、どうする!俺! 【番外編1:止めないで!俺の可愛い神獣様!】 「っは、っは……っはぁッ!い、あんっ!」  くつしたもどうすれば良いのか分からないのだろう。  ギュッと俺の体を抱きしめたまま、腰をヘコヘコさせて俺の腹に自身を擦り付けている。 「っはぁぅ。うぅ、っぅぅ……ぅぐぅ、んぅ」 「くつ、した……っむぅ、ンンっ!」  ただ、そんな事で下半身の猛りが治まるワケもなく。  くつしたは、顔を真っ赤にしたまま俺の唇に激しく吸い付くと、何度も何度も腰を振り続けた。 (くつ、した……?)  長い舌で口内を舐め尽くされながらソッと目を開けると、そこには苦し気に歪むくつしたの顔が見えた。キラキラと輝く銀色の前髪は、じわりと吹き出す汗で額に貼り付き、背中に回された腕は、これでもかというほど力が込められている。 「~~っん゛ぅぅうっ、っ」 「んンンっ!」  呼吸すらままならないほどの口づけに、頭がクラクラする。  獣は本能でどうにかするだろう。  以前はそう考えていたが、今のくつしたは「人間」だ。俺と一緒に居る為に、いつもとは違った姿をとってくれている。そのせいで、今のくつしたは獣の時以上に〝性行為〟について何も分かっていない。 「っは、ふ……っはぁ、っは……いあん、いあ゛んっ!」 「……っはぅ。くつした、苦しいだろ」  やっとの事で長い口づけを終えると、くつしたはジッと俺の事を見てコクコクと頷いた。その目には今にも零れ落ちそうな程の涙が浮かんでいる。 「ぅ~~、あづい、あづい……っぁぁぅ。いれ、たい……コレ、いれたい。いれだい~」  その表情があまりにも辛そうで、俺は思わずくつしたの骨ばった背中を優しく撫でた。体が、焼けるように熱い。いつの間にか、俺の頬はくつしたの涙で濡れていた。 「ぐる、じぃ……あづい。だずげで……いあん」 「あぁ、くつした。可哀想に……大丈夫だ。大丈夫」 「うー、っぅーー」  こうやって見ると、人間の姿をとったとは言え、くつしたの見た目はまだ十代後半と言ったところだ。狼として生まれて一年半程度しか経っていないので、人間の年齢に換算すると十代後半は妥当な姿なのかもしれない。 「そう、だよな」  くつしたは……まだ、何も、知らないんだもんな。まだ、生まれて一年とちょっとしか経ってない。そりゃあそうだ。まだ、俺からすれば赤ちゃんみたいなモンだ。 「ぐぅぅ、っ、っふぅぅ、っいあん、いあん~」  だとすると、俺がどうにかしてやるしかない。俺だって人間の性行為は分からないけど、くつしたよりは多少、マシな筈だ。 「まず……手とか、あとは……口とかでシてやれば、少しはマシに……」 「い、あん?」 「くつした、少し、はなれろ」 「え?」  まずは、俺もこのドロドロの服を脱ぎたい。訓練服は厚手だし、俺も体中汗でびっしょりだ。  そう、俺がくつしたの体を押しのけようとした時だった。 「っい、いや!いやだ!離れない!くつした、イアンから離れたくない!」 「っぐふ!」  それまで以上に、熱い熱源が俺の体を包み込んだ。  湿った布の向こうにくつしたの勃起した性器を更にありありと感じる。鼻孔の奥に貼り付いていた精の匂いが更に濃くなった気がした。 「ちょっ、くつした!服!俺も服を脱ぐだけだからっ!」 「……ふく?」 「そう、服。ちょっと服が濡れて、気持ち悪いし……その」  だいたい、セックスって裸でするんだよな?よく分からんけど、そういうモンだと俺は思ってる。それに、俺もどうせなら出来るだけくつしたを直に感じたい。 「ふくって、これ?」 「あ、うん」  くつしたが表情を歪めつつ、俺の着ている服をちょんと指を突く。小首を傾げる様子なんかは、まるで狼の時のままだ。そんなくつしたの姿に、俺は思わず笑ってしまった。 「っふふ、そう。熱いから、脱ぎたいんだよ」 「脱いだら、イアンは熱くなくなる?」 「さぁ、どうだろ。でも、くつしたとおそろいにはなるかな」 「くつしたと、おそろい?」  俺の言葉に、先ほどまで性欲と熱に溺れて苦し気だった瞳に、微かに「楽しい」の光が宿った。 「イアン、くつしたとおそろいがいい?」 「ああ、俺はくつしたとおそろいがいいな」  くつしたに言う事を聞いてもらうには「懇願」ではダメだ。いや、ダメって事はないけど、出来るだけくつしたには「楽しい」と思っていて欲しい。そう、くつしたの綺麗な髪をぐしゃぐしゃに撫でてやった時だ。 「くつしたも、イアンとおそろいがいい!」 「っへ!?」  気付いた時には、涼しい空気が俺の素肌に触れた。同時に、ビリビリという何かを激しく破く音が俺の耳を突く。 「ちょっちょっ!?くつした!?」 「これ取ったらイアンとおそろい!イアンとおそろい!」  くつしたはご機嫌な様子で歌うように口づさむと、どんなバカ力だよ!?と突っ込みたくなる勢いで、俺の服を破き始めた。訓練用の服は厚手で、普通の服とは違い相当な強度がある。それなのに、くつしたときたら、まるで紙でも破くような手つきで俺の着ていた服を上から下まで全部破り捨ててしまった。 「おっ、おいおい!」  訓練用の服ってスゲェ高いんだぞ!? 「イアン!」 「っぁ、へっ!?」  しかし、くつしたはそんな事お構いなしで破いた服をあちこちへ投げ捨てると、真っ裸になった俺を見下ろし、嬉しいのを我慢できないといった表情を浮かべ、両手で自身の頬を挟み込んだ。 「ぅーー!ほんとだぁっ、イアンがくつしたとお揃いになった……おそろいおそろいっ!」 「あ、そう……だな」  裸になっただけで、まさかこんなに喜ばれてしまうなんて。  というか、俺の一挙手一投足で、この世の〝楽しい〟を全部詰め込んだような笑顔を浮かべてくれる相手なんて、くつしたくらいなモノだろう。  そう思うと、なんかもう訓練服くらいで焦ってる自分がバカらしくなった。 「くつした、お前って……本当に可愛いなぁ」 「イアンもかわいいと思う!」 「っはは、そりゃどうも」  三十路の男を捕まえて一体何を言いだすのか。きっと相手がくつしたでなければ、心底引いていただろう。うん、キモ過ぎる。ドン引きだ。 「ほら、おいで。くつした!」 「うん!」  俺達は互いに遮るモノのない状態で再び抱きしめ合うと、そのまま何度も何度も口づけを交わした。
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