プロローグ

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プロローグ

「おかーさんのご飯、美味しい!」 「よかったよかった、あなたも大丈夫?」 「ああ、いつも通り美味いぞ」 「そう、よかったわ」 「お外たのしーね!おかーさん、おとーさん!」 「ふふっ、そうね」 「そうだな。怪我しないようにするんだぞ」 「はーい!」 いつまでも続くと思っていた、そんな日常はいとも簡単に崩れた。 「あんなことを黙っているとは……私が馬鹿だった、お前とは離婚だ!」 「っ、ええわかりました!!離婚しましょう!!!」 「親権は俺が持つ!!」 「はぁ、!?」 「当たり前だろう!お前は――――――なんだからな!!」 「っ……。ええわかりましたよ!!明日の朝には出ていきますから!!!」 「おかーさん、?おとーさん、?何話してるの、?」 「ルイ…!?なんでもないわよ、ほら良い子は寝る時間」 「、?わかった…おやすみなさい……」 次の日、起きるとお母さんは居なくなっていた。 「おかーさん?どこ、?」 「ルイ、お母さんは…」 幼いながらも察した。離れ離れになってしまったのだと。 「……うん、わかった、おとーさん」 当時齢8歳の私にはショックが大きかった。このときからだった。お父さんとの2人暮らしが始まったのは。 「ねぇお父さん。どうしてお母さんと離婚したの?」 「……さぁな」 聞いても、はぐらかすばかりな父。 月日も経ち、私は12歳になった。ある日お父さんの机を掃除していると机上からこんなものを見つけた。 『悪魔執事など気持ちが悪い。あんなのを妻にしていた私が馬鹿だった。』 そう書いてあった。悪魔執事。噂程度には聞いたことがある。天使を倒してくれる人達。今平和に過ごせているのはあの人達のおかげだと、子供ながら思っていた。お母さんが悪魔執事の主。なら悪魔執事の人達を探せばお母さんに会えるかもしれない。 「ねぇお父さん。お母さんって……」 そう言うとお父さんは少しくもった表情をした。 「お母さんが、どうした。」 そう聞き返してくる父。 「お母さんって、悪魔執事の主、だったんだね」 「お前っ、その情報、どこで」 「お父さんの机の上、掃除してたら出てきたんだ」 「そうか、」 そう、短い返事だけして、あとは口を開かなくなった。 その時から。父との関係は悪化した。正直居心地が悪い。なら言ってしまおう。 「ねぇお父さん。」 「どうした」 短く返してくる、父。 「私お母さんを探しに行く。」 「……そうか。好きにしろ」 そんなことを言う私に呆れたのだろうか。少し間を開けたあと、好きにしろ、そう帰ってきた。 そうして私は当主フィンレイが治めるこの広いエスポワールの地で母を探すことにした。
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