父伝説

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父はその頃から、買物へ行き、家事をし 家計簿をつけ、破られていた障子の張替え。 ありとあらゆる事をして家計を支えていたらしい。 貧乏に転落してからの父の両親は、 朝早くから夜遅くまで必死に外での仕事へ 出掛ける。 それでも何とか父は学生社会を 送ることが出来たようだ。 相当身体にムチを打って頑張っていたに 違いないだろう。 両親に足りない僅かなお金で 夕飯や朝食などの食材を買い やりくりをしていたのか、私自身 定かではない。 が、彼は相当頭をフル回転し 近所の商店街をあちらこちら 駆けずり回っていたそうだ。 そして、そこにいるお店のおばちゃんや おじちゃんたちと馴染みになり、 何かと愛想よくしていると コロッケのおまけやら、野菜のおまけなど してくれたそう。 今と違い、父や母を含め、 この時代の人々は 常に空腹だったと言う。 お腹をいつも空かせ、小学生の時代は どんなに不味くても給食にありつけて いたそうでそれがどんだけ救われたと 父から聞く。 だが、中、高はお弁当生活 なのでそうも言ってられない。 しかも、妹さんは特に学生の頃は モリモリ食べるような人で それもそのはず、彼女が高校の頃 『薙刀』という競技があり 当時全国制覇し、『1位まで』 のし上がった実力者でもあったそう。 高校にあがれば購買はあるには、 あるっちゃあるが そこはまさに戦場そのもの。 父は勿論当時のおばさんが学生時代は お弁当または 購買でパンを買い漁るのに 必死だったと。 いかに腹持ちがよく、またリーズナブルな 値段で買うことが出来るか。 焼きそばパンが特に当時は お気に入りだったようで 父の時代では当時1つ20円(今のお金で計算すると、300〜500円前後)だったらしい。 その購買にはそれでも、毎日行けなかった ので、当時仲良しの友達だった 友人の一人が戦利品として コロッケパンだの、焼きそばパンだの 買ってくれ、半分こにしてくれて 食べたこともあったという話を 聞いたことがある。
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