22.幸せな夏の想い出

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「友達とは別でもう大丈夫なんだろ?」 「あっ、はい。さっき連絡し合って、別々で帰ろうってことになりました」 「なら問題ないよな」 「問題はないですけど、意味がよく・・・」 「なら余計その足でお前一人で帰らせられねぇだろ」 「あっ、そっかこの足・・・」 社長に言われてまたようやく痛かったことに気付く。 あまりに幸せだったから痛かったのまた忘れてた。 そういう痛みも幸せが上回ると、ホントに忘れるくらいになっちゃうんだなぁ~。 なのに社長は自分のことじゃないあたしのことをずっと気にかけて心配してくれるなんて優しすぎる。 「どうせその足で家帰ったって駅からまた少し歩かなきゃだし。その距離でもそんな格好でお前キツイだろ」 「あっ。そうですけど・・・。そこ今から行って空いてるもんですか? あっ、めちゃ高いとこですよね!? いくらくらいですか!? えっ、あたしそんな払えるとこかな・・・」 と、一人悩んでいると。 「アホッ。んなのお前に出させる訳ねえだろ。心配ないよ、元々オレが取ってる部屋だし。お前はなんも出さなくていい」 「え、何個か取ってたってことですか?」 「いや? 一部屋」 「一部屋?」 「そう。オレの部屋にお前も泊まるってだけ」 「えっ!?!? 一緒にってことですか!?」 「そう」 「いやいやいや!」 いや、そんなあっさりと! 確かに同じ家に住んでるし、付き合ってもいるけど・・・! でもホテルの部屋ってことは、ベッドそこにあるよね? ってことは同じ空間だよね? さすがに同じ家に住んでても、今まで社長の部屋に入ったこともないのに! なのにいきなりこのハードル!? えっ、あっ、でもツインとかなら、まだ反対向いて寝れば、ギリギリ社長との寝るまでの時間は楽しめたりするってことかな? 「は?何? いやってこと!?」 「いや、え、そうじゃなくて。えっと、もちろんツインですよね?」 「は?んな訳あるかよ」 「いや!え!? そこにあたしも一緒にですか!?」 「えっ、何、お前動揺してんの?(笑)」 「いや、まぁ、ちょっといきなりでビックリして」 「あぁ~。でもダブルで一人使いしようと思ってたから、んな部屋もベッドも狭くねぇから安心しろ」 「えっ、でもベッドは一つですよね?」 「そうだな」 「そうなんだ・・・」 こんなのいきなりすぎて心の準備出来るとかのレベルじゃない! でも社長とはまだ一緒にいたいし、このまま同じ部屋でずっと過ごせるなんてめちゃめちゃ緊張するけど、でもそんな幸せ経験してみたい・・・。
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