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「はい。こんなとこで偶然会えるなんて、ホント奇跡みたいですね」
「奇跡?」
「はい。こんないつもと離れた場所に偶然お互いいて、こんなたくさんの人の中で会えたんですよ? 奇跡以外なくないですか?」
「まぁな」
「でも。その奇跡にも、ちゃんと意味があるのかも」
「意味って?」
「社長は仕事でたまたまここに来て。あたしはルイルイ応援する為にここに来た。お互い違う目的で来てるはずなのに、今はこうやって二人でいれる。それってすごい確率だと思いません?」
「まぁ確かに」
「それにお互い元々大切にしているモノを選んでいても、こうやって今二人で過ごせているこの時間と場所に繋がっていくとか、運命としか思えないくらい・・・。 な~んて(笑)」
あたしには社長の彼女でいれることも、好きになってもらえてることも、全部が奇跡みたいなモノ。
だから、社長に繫がっていくすべてがあたしには奇跡に感じられる。
「そうだな。確かにそうかもしれないな」
「・・・え?」
「お前自身が、その奇跡も運命も作っていってるのかもな」
「えっ!? あたしが、ですか!?」
「お前はオレにないモノばっかりオレにくれるから」
「何かあたし社長にあげれてるモノなんてありましったけ?」
「お前は当たり前の大切さだとか、そういう何気ないことを意味あることだと気付かせてくれる。それがオレには全部新鮮で眩しい」
「え、なんか照れます」
「オレにはそれを知れたことが奇跡なんだと思えるくらい」
「なら。あたしといれば毎日奇跡だらけですね♪ とか言っちゃったりして(笑)」
「そうだな」
「えっ、もうそんな甘いことばっか言ってたら、あたしホントに調子に乗っちゃいますよ!?」
「いいよ。ホントのことだし」
そう言って、社長は優しく微笑んでじっとあたしの顔を見つめる。
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