23.想いが溢れる夜

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「なんでも今までやったことないことをやろうと思うのは、全部お前の影響」 「そうなんですか・・・? でもそれでやろうって思ってくれるってことですよね」 「そうだな。なんかお前に言われたら出来る気したり、一緒だとそれもいいかもなって、不思議となんか思えてくるんだよね」 「なんかわかんないけど、嬉しいです」 「まぁお前自身は確かにわかんないかもな」 「はい」 「うん。多分オレだけがお前に感じる感覚だから」 「そっか」 「だから面白いんだよ。お前といると」 「フフッ。なら、あたしが結構慧さんの初めてあげられてるかもですね」 「あぁ~そうかも」 「じゃあぜひこの二人の写真も初記念ってことで、いいの撮りましょうね♪」 「お前そういうの慣れてそうだし任せるわ」 「はい! 任せてください! めちゃ得意です! はい。じゃあ、もう少しカメラ入るように近づいてください」 「お前が近づけよ。わかんねぇよ」 「あっ。そっか」 と、答えた瞬間。 「うわっ!」 慧さんが隣からグイっと腕を持って引き寄せる。 「これでい?」 「いや、わかってんじゃないですか」 「全然?」 「フフッ。じゃあ、撮りますよ」 そう言って写した写真は、もっと固くなったぎこちない写真かと思いきや、慧さんが少し雰囲気を和らげてくれたことで、二人とも自然に微笑んだ幸せそうな一枚になった。 「見てください! これ! めちゃ良くないですか!?」 「あぁ。ホントだな。いいじゃん」 思わず慧さんにも見せたくなるような写真で。 慧さんもそれを見て微笑んでくれる。 「ありがとうございます。宝物にします」 「宝物って大袈裟だな」 「え~宝物ですよ! 慧さんと二人の写真なんて! あっ! 絶対誰にも見せないから安心してくださいね! これはあたしだけの宝物です」 「お前だけなの?」 「えっ?」 「それ。お前一人占めする気?」 「えっ? ってことは、慧さんもこの写真もらってくれるってことですか?」 「そりゃオレも欲しいに決まってんだろ」 「え・・・ただあたしのお願い聞いてくれただけだと思ってた」 「オレもお前との写真欲しいって思ったから。だからオレにもそれ送って?」 「はい! 喜んで!」 「フッ。居酒屋かよ(笑)」 「フフッ」 慧さんもその写真が欲しいと言ってくれて、嬉しさでニヤけながらそのまますぐに写真を送る。 自分だけじゃなく好きな人も持ってくれてるとか嬉しすぎる。
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