ドール

ドール・聖

｢どんな雰囲気の子にしようかな
可愛い女の子？綺麗な女性？
うーん…可愛い男の子ってのも捨てがたいし……やっぱり､イケメン？ダンディーなおじ様？
迷うなぁ～……｣

そんな事をぶつぶつと､独り言を呟いていると､店員の男性が声を掛けてくる｡

｢いらっしゃいませ､何かお困りですか？｣

縦半分に割った髑髏の右側を顔の右に着けている､不思議な雰囲気の店員がにこやかな表情で口を開く｡

｢どのような､商品をお求めでしょうか？｣

｢あ､あの……ドールに可愛い服を着せたいんですが迷ってしまって……｣

｢そうでしたか｡
迷っておられるのでしたら､『フルセット』にしてみてはいかがでしょうか？｣

『フルセット』とは⎯⎯｡

アイ､ウィッグ､､洋服､アクセサリーなどが全て揃っている｡

｢『フルセット』ですか？｣

｢はい｡
アニメやゲーム､小説などとコラボした服(ドレス)ドーのフルセットが多数用意してございます｡
お悩みでしたら､そちらをお求めになってはいかがでしょうか？｣

初めてドールに服を着せる､彼女にとっては､思ってもない提案で､興味を惹かれ､店員に話し掛ける｡

｢見せて､くれませんか？｣

｢承知､致しました｣