再び

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再び

約束の時間の10分前に、電車が天王駅に着くと、ダイヤが乱れていたせいもあって、駅から一気に大勢の人が溢れ出て、皆が思い思いの方向へ散らばって行く。 その人混みの中、噴水の方に向かっていると、いきなり知らない男が話しかけてきた。 「彼女、ひとり?」 見るからにチャラそうな男。 「約束した人がいるので」 そう言ったのに立ち去ろうとしない。 無視して、噴水の周りでかっちゃんを探した。 「彼が待ち合わせ相手だから」 その言葉に「なんだ男と待ち合わせか……」と、小声で呟いて男が去って行った。 時計を見ると7時5分前だった。 「まだ、遅刻じゃないですよね?」 声をかけると、噴水の縁に座って下を見ていた男性が顔を上げた。
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