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少しでも
仕事が終わってから、時間をかけてメイクをなおした。
それを見た吉田さんが、何かを察したのか、ヘアアイロンを貸してくれた。
それで濃いブラウンの髪の毛を巻いた。
少しでも、きれいに見えるように。
会社の最寄り駅に着くと、点検のため電車が遅れているというアナウンスが流れていた。
どうりでホームには人が溢れかえっている。
それでも、電車が30分くらい遅れていても余裕で約束の時間には間に合う。
これまでだったら、こんなアクシデントに見舞われたら、これから何か悪いことでも起こるんじゃないか、なんて思ったかもしれない。
でも、今日は、もう既にこんなアクシデントに合ったのだから、かっちゃんに会う時には何も悪いことなんて起こらないと思えた。
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