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赤い封筒
アイが家にやってきてからあっと言う間に三日が経った。朝から彼女は用事があると出ていったままだ。
そんなとき、ひさびさに友人のアキラから連絡があった。小学校からの友人で近所に住んでいた。幼馴染みだ。
『よォ、どうした。ケント。最近、可愛らしい彼女が出来たらしいな』
どこから聞いたのだろうか。いきなりご挨拶だ。
「いや、まァ彼女って言うか。お金がないっていうから。たまたま部屋を貸して、シェアハウスしてるんだよ」
『マジでシェアハウスか。じゃァ体の良い同棲じゃん』
「バカ言えよ。同棲じゃないよ。相手の子は女子高生だぜ」
『おいおい、女子高生ってマジか。ヤバくねえェ。淫行条例違反だぞ。ケッケケェ』
いやらしく笑った。
「いやいや、淫行って。彼女には指一本触ってないよ。当然だけど」
『フフゥン、指一本触らないけど、無理やり変なモノをくわえさせるなよ』
「お前なァ。変なモノなんてくわえさせるかよ。バァカ」
『フフゥン、それにしても上手くやったな。奥手で女子とは話せないケントが。女子高生と一緒に暮らしているなんて。天地がひっくり返るぞ。ケッケケ』
「ああァまァな」
ボクだって未だに信じられない。
『どこで引っ掛けたんだよ。そんな女子高生を』
「別に引っ掛けたワケじゃないよ。たまたま赤い封筒が家のエントランスに落ちてて」
『えェ……、赤い封筒?』
「ああァ、それを拾ったら中に彼女の写真が入っていたんだ」
『バカだな。お前、マジで赤い封筒を拾っちゃったのか?』
「ああァなんかあるのか」
『ケント、ヤバいぞ。それは!』
「え、ヤバいって?」
『最近、実家の近くでも赤い封筒が落ちているらしいんだ』
「え、そうなのか」
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