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終わったと思っていた初恋が意外な形で動きだした。
「お疲れ様」
仕事が終わりアルバイト先のファミリーレストランを出たところで声を掛けられた。
「今夜七時からレストランを予約していたんだけど、唯花から……唯花は婚約者なんだ。さっき急用が出来たっていきなりドタキャンされたんだ。お金もすでに払っているし、どうせご飯まだだろう?一緒に行かない?」
「あ、でも……この格好ですし。さすがにジーンズとシャツでは……」
「カジュアルなレストランだから気にしなくていいよ。予約時間が迫っているから急ごう」
彼に手を掴まれ近くに停めてあったシルバーの車の助手席に乗せられた。
着いたのは有名な一流ホテルの最上階にある高級レストランだった。呆気にとられ、戸惑う僕を見て彼はすごく楽しそうに笑っていた。夢のような時間はあっという間に過ぎていった。
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