わんこの心情

1/1

18人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ

わんこの心情

いつも通り父の実家へ帰省していたのですが、祖母が体調を崩し急遽宿を借りることに。それからは日本に帰省するたびに必ず宿を借りているんですが、そこで出会った1匹の犬について話します。 この話の前に一つ。コロナ真っ只中の時、僕の住んでるA国の郊外をサイクリングしていました。すると獰猛な犬に襲われてしまうのです。こちらも必死に威嚇しますが、180度に剥かれた牙が太腿あたりのすぐそこまできました…!間一髪で飼い主さんが止めに入りなんとか病院送りになることはありませんでした。 そうして、犬を見つける度ケツバットをかましたくなる衝動に駆られます(笑) ついついレッテルを貼り、犬を毛嫌いしていました。そんな時出会ったのがこの犬。前置きが長くなりましたが、犬との仲直りを図ろうと近づいていくのですが… 反応は冷たいもの。何にも興味を示さないし、ボールなどを与えても逃げるばかりでした。しかしレッテルという枷を外すべく、犬の頭を撫で続けます。この犬は吠えることもないし、冷たいながら温厚なことには間違ありません。次第に仲良くなっていって、最近は相手から近づいてくるようになりました。ですが、なんだか異常なほどに昂っているのです。 「なんでだろうね」 とわんこの豹変ぶりに驚きを隠せなかったのですが、父がある仮説を立てます。 「宿に泊まった人と仲良くしてもすぐいなくなるし、失望感を味わいたくなくてわざと仲良くしようとしないんじゃない?お父さんたちの場合は長い間いるからね」 一理ありますよね。犬になった気持ちで考えたのですが、相当寂しそう… 趣味もないし、友達もいないし、ロープにより体や自由を束縛されています。それって結構悲しそうだな、と。別に特段深い意味があってこの話を書いたわけではないのですが(笑) なんだか虚な目をしている事がありますから、ついついこのように謎の妄想をしてしまいました。ですが、悲しいことばかりではないでしょう。僕も海外在住なので私立ですから、バンバン人が入れ替わります。もちろん悲しいですが、いろんな人と出会い、学び、一概に悪いとも言えません。一人二人ぐらい信用できる親友も欲しいとは思いますが、それをプラスに生かしていてほしいですね! とりあえず、この犬とは短い間だけど楽しい時を過ごし、後悔を残さず帰りたいですね^_^ 犬っていつもどういう心情なのか気になります… ですが、少しは分かり合えた気がします。可愛いのは正義ですし(?)
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加