たそがれ

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「もっとお話したいな、そこの喫茶店でお茶でもしませんか?あ、お忙しいですか?」 「大丈夫ですよ!私は暇ですから」 若い職場にいたけどこんなゆったりした気持ちで若者とお茶を飲むなんてなかったから、誘ってもらって少し嬉しかった。 美術館の中の喫茶店で少し話した。 「自己紹介まだでしたね、僕、水島正美(みずしままさみ)といいます!大学入学したてです」 「私は、松田慎二(まつだしんじ)です!定年退職したてです」 「やだぁ、ハハハ!定年退職したてだって。あ、ごめんなさい。そんなお歳に見えませんね、カッコいいし、おしゃれで素敵ですよ!モテるでしょう?」 「若い頃はねモテモテでしたよ!今はもうダメですよ」 「そんなことありませんよ!充分素敵ですよ、僕の絵のモデルになってもらいたいくらいですよ、お見かけしたところ洋服のうえからでも筋肉質な素晴らしい身体をしているようにお見受けしますがちょっと触っていいですか?」 「どうぞ」自分でも自信があったから水島君の手をつかんで胸の筋肉を触らせた。 水島君は急に手をつかまれてびっくりして少し顔が赤くなっていた。なんだこの子は女の子みたいだな可愛い!ひょっとしてゲイ?可愛いと思う私も変だ、なんかおかしくなってきちゃったぞ、いかんいかん正常にもどれ!でもなんかもっと親しくなりたい。
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