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「無理だよ。こっちの世界には関与出来ない。
出来るのは君が課題をやり遂げて生き返らせる事だけなんだ。」
ならば
雫が願うのはただ一つ。
雅の幸せだけだ。
「雫の考えは分かるけど雅って奴の幸せは何?
今だと雫が助かる事だよな?仮に今の現状のまま生き返ってお前達幸せになれるの?」
雫の気持ちを見たのか、ユージンが告げる言葉に雫はハッとする。
確かに雅ならば雫が助かる事を願うだろう。
だが、生き返った先は?
両親から罵倒される雅の立場は変わらないし
いくら雫が雅の事が好きだと訴えても許してなどもらえまい。
最悪、引き離される可能性もある。
雅も雫も背負うものが大きすぎる。
それを捨てる自由などないに等しい。
「この状況だとちょっと無理があるかもね」
ならば、他に選択できるのは何だった?
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