想いのすべてを君に

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「雫、君がそれを選択するならば分かってる?」 ユージンは雫と繋いでいる手にギュッと力を込めて来た。おそらく自分の意思を読み取り雫が何を考えているのか理解したであろうユージンが諭すように自分に問いかけた。 そうだね。 それは僕が死を選ぶという事だ。 「雫、3でいいんじゃない?君も雅も想いさえ捨てれば新しい人生を選び直す事が出来るんだよ?」 そうだね。 きっと。 だけど、雫は忘れたくはない。 雅の事も。 雅を好きな気持ちも。 「雫、ちゃんともう一度よく考えて。」 「いいんだ。ユージン。もう僕は決めたから」 そのまま黙り込んだ雫の目の前にユージンの手の平が向けられ瞬きをする間もなく手の平がギュッと閉じられた。
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