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「な、ななななな、なんてことをしてくれた、なんてことをしてくれたああああああああああああああ!」
『二年一組、吾妻つばめ。
攻撃力0
守備力0
体力30
敏捷性70
魔力0
知力0
自分がゲームの勝利条件を満たした時、天上貴族の存在をなかったことにする。その結果起きたすべての惨劇がなかったことになり、この世界もつばめたちの世界も多くの異世界も全て元の姿と時間へ戻る』
「動揺しているところを見ると、つばめさんの賭けは成功だったみたいだね」
皇が天上貴族を睨みつけながら言った。
「僕には、こんなことする勇気はなかった。ゲームに勝利した後は、運営のスキルチェックが入らない可能性が高い。だからそのタイミングで、全てをゼロに戻すスキルを設定すれば、そのまま実行されるかもしれない。……気づいていても、できなかった。でも、つばめさんは違ったんだ」
「そう。……このスキルは全ておまえたち、神の力なんだろう?そしてお前の力ならば、我々を元の世界に帰すことも、悲劇を全てなかったことにするのも可能だと言った。そう、お前たちがさっきそう言ったんだ。だからこれも、実行可能。お前たちは……最初からいなかったことになる。このゲームと共に!」
揺れる、揺れる、揺れる。
城とともに世界が崩壊する。否――天上貴族たちに苦しめられたすべての世界が、すべてあるべき姿を取り戻すのだ。
彼等がいなかった世界へ。関わらなかった世界へ。
「やめろ、やめるのじゃ!わ、妾たちは消えとうない!なぜじゃ、妾たちは神であるぞ!なぜ、なぜ人間ごときが妾たちを消すというのじゃあああ!」
「そそそそそんなばかな」
「く、クリスティーナ様あ……!」
「すすす、スキル発動を止めるには」
「ああああ、なんてことっ」
しゅるるるるる、と糸がほどけるように消えていくクリスティーナと男たち。この場にいない天上貴族たちにも効果は及んでいるはずである。
「人の命を平気で踏みつけて弄んでおきながら、自分達は命乞いか」
自分達は賭けに勝った。つばめは彼女たちを睨みつけて、宣言する。
「消え失せろ!そして二度と、私達の前に現れるなああああああああああああああああああああああああああ!」
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