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「あ、また」
足元で声がして見ると響也が俺の靴紐をまた結んでた。
「何でいつも……子どもじゃねーんだから自分で結べるって」
「だったら自分で気付けよ。どっちもほどけてる。ふふ」
腋と背がじっとり汗ばむ。顔が熱い。
響也の指は左を終えて右足の紐に移ってた。
「でもさ……玲央のそういうとこ……たまんねーって……」
屈み過ぎで額しか見えない。
「たまんねー?……そういうとこ?」
心臓が爆発しそうだった。最高にトキめくとスプラッタになるかも。
「……って女がたくさんいんだろーな」
ガクッ。肩が落ちる古いギャグの音はホントだ。確かに聞こえた。
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