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(玲央。やっぱ来てくんなかったんだな)
「結婚式当日だろーが」
諦めの悪い響也からのラインだった。チャペルでの式の後、庭園で披露宴が行われるとスケジュールまで送られてきた。
高台にある公園から十字架を見下ろす。
ムカつくほど爽快な空にパステルカラーの風船が飛んでいく。
バルーンリリースが挙式が終わったことを告げた。
歩きながらしばらく風船を追った。同時に放たれたのに、キャンディみたいにバラけて少しずつ遠ざかる。
「どこまで行くんだろうな」
ずっと見上げてたら首が疲れた。白シャツを摘まむと風が下に潜り込んで汗を拭う。
バカルディのモヒートを一気にあおり、空き瓶をゴミ箱に投げ入れた。
酒にどれだけ浸ろうともしばらくは酔えそうにない。
「どこ行こっかな」
早く夜に包まれたい。とりあえず今夜の相手を決めないとな。
End
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