真夜中の来訪者

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「うげえーーげぇーだんで出席してくんないんだよぉ」 「しゃべんな。ゲロだけ吐いてろ」 泣きにゲロ混じりを背に受けながらサンダルに足を突っ込んで自販機に走る。 「ちっ! うぜえ」 何で結婚式に出なきゃなんねえんだ。 俺がスタイリストだからって、嫁のウェディング用のアクセサリー選びにまで付き合わされそうになった。 「ホントの親友と思ってっから当たり前か……」 ガコンと受取口に落ちたポカリを掴んで駆け戻る。 「響也! 優しい親友に感謝しろよ」 玄関から寝室兼リビング兼ダイニングまでは数歩で着く。だけど金縛りにあったみたいに足が止まった。 響也は寝ていた。瞼を閉じて。俺の視界はベッドに占拠された。 元々この部屋はベッドから始まりベッドで完結する。俺自身もゲストにとっても。  ただ今夜は違う。いながらにして部屋の主の座をあっさり譲り渡してしまった。
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