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吐くためにボタンの外されたシャツが寝返りで全開になってる。響也の胸と腋腹に強烈に目を奪われる。
肩と膝が震えた。
「もう、わずかな希望も持てない」
夜の街のネオンじゃ俺がこれから歩いてく暗い道は照らせない。
満たされない想いは萎まずに膨らんだまま内側を圧迫し続ける。息が苦しい。
だったら吐き出しちまえばいい。だけどそしたら飛んでいって二度と掴めない?内側に出来た空洞を何で埋めればいい?
響也の隣で片肘ついて寝顔を見守る。
「仕方ねえだろ。狭くてお前の隣しか居場所がねえんだから」
言い訳しながら身体を寄せ、響也と出会ったころのことを思い返した。
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